交通事故死の約4倍にものぼる家庭内事故死。その原因は・・・
毎日のように新聞やニュースで目にする交通死亡事故、年間の交通事故による死亡者数は平成24年度で4411人となっており、毎年減少傾向にあるとはいえ、多くの方が交通事故によりお亡くなりになっています。
しかし、ここで注目したい数字があります。「ヒートショック」による家庭内での死亡者数です。
ヒートショックとは家の中にある急激な温度の変化により血圧が大きく変化し、心臓に大きな負担が掛かりるため、心筋梗塞や脳血管の障害など、生命にかかわる重大な症状が出ることです。
東京都健康長寿医療センターによると平成24年のヒートショックによる家庭内での死亡者数は約17,000人となり交通死亡事故の約4倍となっており、車やバイクが行きかう道路より、家の中の方が死亡事故が多いという事を表す数字が実際に出ているのです。
ヒートショックは暖かいリビングから温度の低いトイレや浴室などに行った時などに起こることがほとんどです。これから家を建てるという場合には温度差が少ない快適な家を建てることが、ヒートショック対策にもなるのです。
ヒートショック対策に重要な“気密性能”と“断熱性能”
家を建てようと考えたときに良く耳にする「高気密・高断熱」という言葉があります。ここではまず、“気密性能”についてお伝えしたいと思います。気密性能はなぜ必要で、家にどんな影響をあたえるのでしょう。
気温が低い日にダウンジャケットを着て外に出れば、寒さも軽減されます。しかし、ダウンジャケットのチャックが開いていて肌がさらされた状態では、寒さを防ぐことができません。
家も、これと同じことがいえます。気密性能が悪ければ、どんなに高性能な断熱材を使っても冷暖房の効果も悪くなり、各部屋の温度差が大きい家ができてしまうのです。
その他にも、気密性能がいい住宅には、たくさんのメリットがあります。
高気密がもたらすメリット
夏涼しく冬暖かい家
ヒートショックが、室内の温度差により心臓や血管に大きな負担が掛かることで起こる、ということは前段でもお伝えしました。きちんと施工された高気密・高断熱住宅は、温度差が少ない「冬暖かく夏涼しい家」を実現することができます。
「リビングは暖かいがトイレや浴室が寒い」、「暖房を使って部屋があたたかくなっても、暖房を消すとすぐに部屋が冷えてしまう」、「夏場、2階の寝室が暑くて寝れない」などの様々な問題も、高気密・高断熱住宅は解決してくれます。外気の影響を受けにくく、室内の暖まった(夏場であれば冷えた)空気も外に逃がさないので、冷暖房機器の効果を長く広範囲に発揮することができます。
室内の湿度を一定に保ち、カビやダニによる被害を抑える
現在住んでいる家で、結露やカビに悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。高気密・高断熱の家では、計画換気により湿度を一定に保つことで、結露が発生しにくい家となります。湿度が一定に保たれることで、カビの発生も抑えることができます。
湿度が高いということは、ダニの温床を作ることにもなります。ダニによって発生するハウスダストは、アレルギー症状を引き起こす原因にもなります。免疫力の低い小さなお子様がいる家庭では、特に注意が必要となります。
光熱費を抑えて環境に優しい家になる
高気密・高断熱の家では、昼の日差しで室内の空気が暖められます。その暖められた空気が外気の影響を受けにくいため、寒い冬の日でも夜まで暖房を使わなくて済む、ということもあります。
夏は外の強い日差しの影響も受けにくいため、冷房器具の効果がより発揮されます。冷暖房器具を長い時間動かさなくても大きな効果を発揮してくれるため、光熱費に大きな影響をあたえます。
光熱費を抑えて、地球にもお財布にも優しい家になります。
気密性能をはかる「C値」が、なぜか基準から削除されている!?
家の気密性を表す数値を「C値」と言います。床面積に対する隙間の割合を表す数値で、数字が小さいほど“すき間がない家”ということになります。この数値は図面から計算される数字ではなく、実測値により計算されます。
次世代省エネルギー基準(平成11年基準)により定められましたが、平成21年の省エネルギー基準改正で、このC値が削除されました。
C値が廃止になった今でも、住宅メーカーや工務店では「高気密・高断熱」という言葉を使って高性能住宅であることをアピールしています。
なぜ省エネ基準からC値の基準が削除されてしまったか、明確な答えは分かりません。断熱性能と違って気密性能を上げるには、工法や施工能力が大きく関わってきます。
どんなに大きなハウスメーカーや工務店でも、施工能力がないと基準を満たす家を建てることは難しいのです。もしかするとその辺りの事情が、廃止になった一つの理由なのかもしれません。
口先だけじゃない高気密・高断熱は、「C値」で判断しましょう!
住宅メーカーや工務店のチラシやホームページでは「高気密・高断熱」という言葉で高性能住宅をアピールしていますが、基準がなくなってしまった今は、それを明確に表すことができません。
「高気密」と言ってしまえば、それが高気密住宅になってしまうのかもしれません。弊社のお客様の中には、「色々な工務店などを回ってきたが、初めて気密の話をされた」と言っていた方もいらっしゃいました。
前出の通り、気密性能を上げるには施工能力が大きく関わってきます。一概には言えませんが、施工能力のない会社は気密の話をしないのかもしれません。
DIグループの代表でもある小板橋は、国土交通省の座談会に毎年参加させて頂いています。「高気密・高断熱が快適に過ごせる家づくりには欠かせないため、廃止になってしまったC値はとても重要です。」と、座談会の席で言い続けています。
DIホームの外張り断熱工法seedでは、すべての家で気密測定を行い、次世代省エネルギー基準のⅠ・Ⅱ地域(北海道・青森・岩手・秋田)の基準値でもある2.0cm²/㎡以上の数字を満たしています。
お客様に快適な家を提供するために、「基準値を超える数字を満たす」ということを20年間当たり前に行ってきました。デザインや間取り、女性の方はキッチンや子育てのことなど、家づくりでこだわる部分は多くあると思いますが、将来を考えた健康で快適に過ごせる家についても考えてみてはいかがでしょうか。