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ヒートショックから身を守る!高気密・高断熱のヒミツ(2) ~断熱性能について~

2015.11.17

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前回の記事でもご紹介したように、ヒートショックによる死亡事故は交通事故による死亡事故の約4倍にものぼっています。室内の温度差が人体に及ぼす影響はとても大きいため、温度差を少なくすることを考慮することが、家づくりをする上で重要な要素の一つとなってきます。

前回の記事では、高気密・高断熱の『気密』に注目をしたお話をいたしましたが、今回は『断熱』についてお伝えします。

『断熱』のための素材

一言で「断熱材」と言ってもその素材には幾つかの種類があり、それぞれに特徴があります。

断熱材の種類
種類 主な素材 概要
繊維系 グラスウール・ロックウールなど ガラスや岩(玄武岩)などを繊維状にしたもの
天然素材 羊毛・炭化コルク 羊や炭化させ断熱能力を高めたコルクなど自然素材を使用したもの
発泡プラスチック ウレタン・高発泡ポリエチレン さまざまなプラスチックを発泡させて製造されたもの

繊維系

安価で防音効果も高いと言われています。ガラスや岩を繊維状にしたものなので、燃えにくく、シロアリにも強いという特徴を持っています。

しかし、グラスウールの性能や施工能力により、断熱性・気密性の能力が大きく変わってきます。部材の選定や施工会社の能力などに注意する必要があります。

自然素材系

自然素材を使用していて「安心」、ということもあり、近年では様々な自然素材を使った断熱材が商品になっています。人体への影響が少ないという話もありますが、一方で動物の毛を使用している断熱材はアレルギーを引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

また、断熱材として使用され始めたのが近年のため、施工経験のある業者が少なく、繊維系の断熱材と同様に施工業者や施工方法に注意が必要となります。

発泡プラスチック系

発泡プラスチック系の断熱材には、「押し出し発泡ポリスチレン」「ビーズ法ポリスチレン」「ウレタンフォーム」「高発泡ポリエチレン」「フェノールフォーム」など様々な種類があります。

断熱材がパネル状のため比較的簡単に隙間なく取り付けられ、施工能力にあまり左右されずに断熱性と気密性を確保することができます。透湿抵抗が小さいため、内部結露も少ないと言われています。

『断熱』のための工法

工法には一般的に、下記の2つの方法があります。

充填断熱工法

柱と柱の間や天井の中に、断熱材を充填していく方法です。繊維系断熱材の他に、吹き付け発泡による断熱や、断熱材と合板などが一体化したパネルを組み込んでいく工法も、充填断熱と言えるでしょう。

外張り断熱工法

発泡プラスチック系の断熱材を、壁や屋根の外側から張り付けていく工法です。家全体をすき間なく断熱材が覆うので、断熱性と気密性の両方を確保しやすい工法です。

また、断熱材が家の外側になることで、充填断熱工法では利用しにくかった屋根裏の利用や収納スペースの確保など、家を隅々まで有効的に使うことができるようになります。

断熱性能を表す、外皮平均熱貫流率:UA値

外皮平均熱貫流率とは、住宅の断熱性能を表す値です。数字が小さいほど、断熱性能が高いということになります。

各部位から逃げる熱の損失を合計し、外皮表面積で割って求められます。断熱材だけでなくサッシなどの断熱性能も加えて計算することで、家全体の断熱性を数字で表すことができます。

UA値は省エネルギー基準によって、地域別に基準値が設けられています。自分の建てる家が地域の基準値を超える断熱性能を持っているのか、UA値で判断をすることができます。

地域区分
外皮平均熱貫流率(UA値)の基準値[W/(㎡・K)] 0.46 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87
冷房機の平均日射熱取得率(ηA値)の基準値 3.0 2.8 2.7 3.2

栃木県北地域(那須町・那須塩原市(旧塩原町を除く)・大田原市・矢板市)は「4地域」に該当します。同じ栃木県でも県央・県南地域とは地域区分が異なり、宮城県・新潟県・長野県・山形県など冬の寒さが厳しい地域と同じ地域区分になっています。

断熱材の断熱性能だけをみても、本当の断熱性能は分からない

断熱性能は、暑い夏にも寒い冬にも、外気温に影響を受けないようにするために欠かすことはできません。

そして、断熱材や断熱の工法は、家が完成してしまった後では、そう簡単にやり直すことはできません。施工業者がどのような断熱材を使い、どのような工法で断熱を行うのか。そういったことにも目を向けて、家を建てる上での重要な要素として考える必要があるのです。

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