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全館冷暖房と部分間欠冷暖房の違い

これまでのほとんどの日本の住宅は、部屋が間仕切られ、部屋と部屋の間は廊下などでつながったような間取りが中心でした。こういった間取りの場合、必要な部屋を必要な時だけ冷暖房する「部分間欠冷暖房」によって室温をコントロールすることになります。

一方、欧米諸国の住宅は部屋ごとに間仕切られることが少なく、室温のコントロールも「全館冷暖房」で行われることがほとんどです。これにより、家の中のどこでもほぼ一定の温度で快適な生活を送ることができます。

実は日本では、この「部分間欠冷暖房」の住宅が多いことが、先進国でも稀にみるほど冬場のヒートショックによる事故発生が多い原因となっています。

ヒートショックとその危険性

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧の乱高下や脈拍の変動が起こることを言います。例えば、寒い脱衣所からお風呂の洗い場へ移動し、さらに熱い風呂に入る、といったことは、通常の生活の中でもよくある行動ではないでしょうか。このとき、実は身体には大きな負担がかかっていて、血圧の上昇や下降が短時間のうちに起こっています。

厚生労働省が公表した2023年(令和5年)の「人口動態統計(確定数)」によると、家庭内の事故で死亡した人は約16,000人に上り、そのうち家庭の浴槽で死亡した人が約4割と最も多い原因として報告されています。計算すると約6,400人となります。こうした入浴時の事故の背景には、ヒートショックなどにより高齢者が急変するケースが多いと指摘されています。

一方、警察庁の発表によれば、同じ2023年の交通事故死者数は3,573人でした。つまり、交通事故による死亡者数よりも、家庭内での入浴時に亡くなる方のほうが多い可能性があるという深刻な状況です。

これらはあくまで死亡者数。これよりももっと多くの方が、一命をとりとめたものの、ヒートショックにより健康を害されているであろうことは、想像に難くありません。

ヒートショックの原因と、解決のための全館冷暖房

ヒートショックは、急激な温度変化によって起こります。逆に言えば、家の中の温度が、どこでも一定に保たれていれば、家庭内でヒートショックが起こる可能性がかなり低くなることと考えられます。

冒頭でお話しした、日本でよくみられる「部分間欠冷暖房」では、部屋によって室温が異なるため、例えばトイレへ行くだけでも急激な温度変化が起こります。普通の生活をしていく中で、常に温度変化に身体が晒されるため、「部分間欠暖房」であるだけで、ヒートショックの危険性が大きく上がってしまいます。

欧米諸国のように、「全館冷暖房」の家となっていれば、生活の中での温度変化もそれほどなく、快適かつ安全に暮らすことができるのです。

全館冷暖房は、高気密・高断熱が必須

日本のほとんどの住宅が「全館冷暖房」に適さない間取りとなっている理由の一つとして、住宅の性能(特に断熱性能)が低いことが挙げられます。断熱性能が低い住宅の場合、冷暖房をする空間が広ければ広いほど、効率が悪く光熱費が高くなることは言うまでもありません。

断熱性能の高い住宅ならば、全館冷暖房によって家の中の温度がほぼ一定になってしまえば、その後は大きなエネルギーを使うことなく温度をコントロールし続けることができます。さらに言えば、「必要な時だけつける」という動かし方ではなく「常に連続稼働させておく」ほうが、結果的にエネルギー効率も良く、省エネにつながることにもなります。

高気密・高断熱によって、ヒートショック予防しよう

住宅の性能を高くすることで、全館冷暖房が可能な間取りにすることができ、24時間連続稼働も省エネのまま可能になります。ヒートショックを予防し、家族の健康を守れるよう、性能を重視したうえで、その性能を活かした間取りの家を創り上げましょう。