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シックハウスを予防する!家づくりで見落としがちな室内環境について

2015.10.23

家を建てるとき、どんなところに注意したら良いでしょうか。
地盤調査や工法・建材などを、しっかり勉強している方も少なくないと思います。

ところで、意外と見落としがちな注意点が「室内環境」です。
特に、シックハウスとよばれる体に害を与える物質は、住み始めてからの生活にも影響を与えるので要注意です。

住まいには、快適であるとともに健康的な毎日をサポートしてくれる役割もあります。
これらの役割を果たし、安心して暮らせる家を建てるうえで、シックハウス症候群の原因や症状、予防策などについても考えてみましょう。

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群とは、空気が汚れた室内環境で過ごすことにより生じる健康被害のことです。
建材や家具などに含まれる有害な化学物質、カビ・ダニなどのハウスダストなどが体内に取り込まれることで、目がチカチカしたり、頭痛や吐き気が治まらなかったりといった症状が現れます。
こうした症状は家のなかにいるときだけ現れるのが、シックハウス症候群の特徴です。

シックハウス症候群が発症しやすいのは、新築または改築した直後の家に入居したときが多いようです。
また、揮発性物質は気温が高くなると発散量が増加するため、初夏から秋にかけて症状が現れる人もいます。

シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群の症状は、人それぞれ、さまざまなものがあります。
厚生労働省の「室内空気質健康影響研究会」がまとめた報告書によると、主に皮膚や目、喉、気道といった部分を刺激するような症状が現れやすいとしています。

たとえば、
・目がチカチカする
・喉に痛みを感じる
・頭痛や吐き気がする
・鼻水が止まらない
・湿疹が出る
といった症状です。

こういった症状が家にいるときだけ出たら、シックハウス症候群の疑いがあります。
このほかにも、イライラする、倦怠感が続くなどの症状もあるようです。

シックハウス症候群になりやすい人は?

シックハウス症候群は、その家で暮らすすべての人がなるわけではありません。
症状も、個人差があります。

リスクがもっとも高いのが、赤ちゃんや高齢者です。
特に、赤ちゃんは抵抗力や免疫力が弱いため、咳込んだり発疹が現れたり、健康被害を発症することがあります。
また、食品アレルギーや花粉症などアレルギー症状を持っている方も、注意が必要です。
シックハウス症候群が、アレルギー症状を悪化させる可能性があります。
このほか、家で長時間過ごすことが多い人も、シックハウス症候群になりやすいでしょう。

シックハウス症候群の治療法は、症状ごとの専門医にかかり治療薬を処方してもらいます。

ただし、シックハウス症候群を完全に治療する薬はありません。
何よりも、原因となる物質を除去することが先決です。

シックハウス症候群の原因とは

シックハウス症候群の原因となる物質は、建材などから発せられる揮発性有機化合物(VOC)と、ダニやカビといったハウスダストの、大きく2つに分けられます。
これらの物質を吸い込んだり触れたりして体内に蓄積され、一定量を超えると発症するのがシックハウス症候群のメカニズムです。

また、最近の建物は気密性が高く、淀んだ空気が室内にとどまりやすいことも原因として指摘されています。
室内の空気を入れ替えるには換気設備だけでは十分とはいえず、有害物質の濃度が下がりにくい環境で長時間過ごすことも、シックハウス症候群になりやすいのです。

化学物質が原因の場合

家の建材や家具には、多くの化学物質が使用されています。
なかでも、発がん性が指摘され健康への影響が大きいと指摘されているのが、ホルムアルデヒドです。
ホルムアルデヒドは合板や壁紙の接着剤などに含まれることが多く、使用された建材などから徐々に放散され室内に充満していきます。

ホルムアルデヒドについて建築基準法では、居室がある建物への使用制限を設けていますが、禁止は求めていません。
このため、現在でも新築住宅の建材などにホルムアルデヒドは使われているのです。

建築基準法では、もう一つ規制している物質があります。
それが、クロルピリホスという物質です。
シロアリの駆除剤に用いられていた物質で、健康被害が大きいことから居室がある建物への使用を禁じられています。

このほか、厚生労働省でも室内濃度に規定を設けた物質を定めています。
ホルムアルデヒド、クロルピリホスに加え、接着剤や防腐剤などに含まれるアセトアルデヒド、内装材などの接着剤や塗料に含まれるトルエンやキシレンなど、全部で13物質あり、一定の濃度を超えないように使用することを求めています。

カビやダニが原因の場合

カビやダニといったハウスダストも、シックハウスの発症を誘発する原因物質です。

生活をする上で、カビやダニの発生は避けられません。
たとえば、久しぶりにエアコンをつけるとカビの臭いを感じることがありますが、まさにカビの胞子が飛び散っている状態といえます。
それを吸い続けると、アレルギーや倦怠感などが生じやすくなるほか、場合によっては気管支喘息などの病気になる可能性もあります。

カビが増えると、それを餌として繁殖するのがダニです。
カーペットや畳、ソファ、布団などに触れて、虫に刺されたような痕が生じたりかゆみを感じたりしたら、ダニが繁殖している証拠。そのダニの糞や死骸を空気と一緒に吸い込むことで、シックハウス症候群の症状が出る恐れがあります。

シックハウス症候群の予防策

シックハウス症候群は、実際にその家で暮らし始めてから生じるものですが、家を建てる前に、ある程度は防ぐことも可能です。
建築会社と打ち合わせをする際には、以下の予防策についても確認しましょう。

化学物質の少ない建材を選ぶ

シックハウス対策の一つは、揮発性有機化合物(VOC)を放出する可能性がある建材を、できるだけ使わず、家を建てることです。
現実的には、厚生労働省が定める13物質すべてを使わずに家を建てるのは、ほぼ不可能ですが、これらの物質の使用を最小限に抑えた建材などは、市場に出回っています。

たとえば、ホルムアルデヒドの放散量について、建材に等級を設けて規制する「F☆☆☆☆(エフフォースター)」という規格があります。
2003年の建築基準法改正時に定められたもので、放散量の少ない製品ほど☆の数が多くなります。
最高等級は☆が4つ。3つまたは2つは制限付きで使用可能な製品を表します。☆が1つは使用禁止です。

現在、大手メーカーが製造する建材の多くがF☆☆☆☆を満たすものですが、ランクの低い建材にはF☆☆☆、F☆☆もありますので、確認することをおすすめします。

また、漆喰などの自然素材には、放散された化学物質を吸着して離さないものもあります。
こうした素材を使用するなど、空気が汚れにくい室内環境を考えるのも一手でしょう。

断熱性能を高め結露を防ぐ

カビやダニが繁殖する原因の一つが、結露です。結露は、断熱性の不十分な家だと窓ガラスだけでなく、壁の表面にも生じます。この水分と壁材に使われる塗料やビニールクロスなどを栄養源に、カビが繁殖していくのです。

結露を防ぐには、壁の表面温度を下げないよう断熱性を高めるのが有効です。壁内に優れた断熱材を使ったり、窓ガラスは複層ガラスを採用したりと、断熱効果の高い製品を選ぶと良いでしょう。

今できるシックハウス症候群の対応策

建材に細心の注意を払っても、ライフスタイルによってシックハウス症候群になる可能性もあります。暮らし始めてから注意したいポイントをまとめました。

換気と掃除はこまめに

手軽にできて、かつ重要なのが、日ごろの換気です。
朝起きたとき、外出先から戻ってきたときなど、1日に数回は換気の時間を設けましょう。
24時間換気システムなどの換気システムと併用することで、大きな効果が期待できます。

特に新しい家に引っ越した直後は、揮発性有機化合物が増えやすいので、できるだけ換気の回数を増やすよう心がけましょう。
押し入れやウォークインクローゼットなど、風通しの悪いところは湿気がこもらないよう注意するのも大切です。

また、ハウスダスト対策として掃除をこまめに行いましょう。
カビやダニが生じにくい環境を保つことで、シックハウス症候群になるリスクを下げられます。
空気清浄機はハウスダストには有効ですが、化学物質の除去は期待できませんので、換気が一番の肝になります。

家具や日用品も化学物質に注意

家具や日用品にも、シックハウス症候群の原因となる化学物質を含んだ商品があります。
テーブルやチェア、食器棚などの家具に使われている接着剤が、シックハウス症候群の一因になることもありますし、床のワックス、カーテンの難燃剤、ストーブなども化学物質が生じやすいところです。
また、防虫剤や殺虫剤などにも、シックハウス症候群になりやすい物質を含んでいます。

できるだけ化学物質の少ない商品を選ぶのも、シックハウス対策の一手です。
どうしても使用する場合は、換気を増やすなど室内に化学物質がこもらないよう注意しましょう。

DIグループ代表 小板橋博幸が理事長を務める 国土交通省認可 全国室内環境改善事業協同組合

全国室内環境改善事業協同組合とは国土交通大臣の認可を得て、すべての人に優しい「健康で安心な室内環境」を実現するために平成21年7月に設立されました。

設計事務所、建設業、不動産業、に関わる全国47都道府県にネットワークを持つ組織であり、「室内環境」を掲げる日本で唯一の全国組合です。

弊社の小板橋博幸が理事長を務めており、全国の組合員と情報交換・共同事業を通じて技術ノウハウの相互活用と切磋琢磨を推進しています。

全国室内環境改善事業協同組合ではシックハウス症候群の原因として、国土交通省により指定されている有害化学物質の測定を行い、同組合の責任において濃度測定数値を認証し、検査済証を発行します。

DIホームの室内有害物質測定

全国室内環境改善事業協同組合は、生活者に多大な影響をあたえる「空気の安全」を「見える化」するために、室内有害化学物質濃度測定を行い情報の開示をしています。

もちろんDIホームでは資格を持った検査員が厚生労働省の指定した測定器具を使い、有害物質測定を必ず行い測定数値を開示して検査済み証の発行を行っております。

万が一、基準値に達しない場合には有害化学物質軽減工法により有害化学物質の濃度が適正な状態に保ちます。

まとめ

シックハウス症候群の原因物質は、目に見えないものですから、知らないうちに症状が進んでいることがあります。
とりわけ、小さなお子さんやアレルギー持ちの方、高齢者の方が住む家を建てる際には、有害な化学物質をできるだけ使用していない建材を使うなど、配慮しながら家づくりを進めることが求められます。

また、暮らし始めてからもカビやダニが繁殖しにくい環境を整えることも大切です。基本は換気と掃除です。自分自身はもちろん、一緒に暮らす家族の健康をいちばんに考え、安心して生活できるよう努めましょう。