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高気密高断熱の住宅で、家族の健康を守る! ~国土交通省の中間発表資料から~

国土交通省が支援している、「住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査」(日本サステナブル建築協会が実施)というものがあります。国民の健康確保のために、住宅の断熱性などが居住者の健康にどれほど影響を及ぼすものなのか、検証している調査です。

2018年2月現在、これまでに中間発表が2回されています。第一回(2017年1月13日)と、第二回(2018年1月25日)の中間報告資料に記載されている内容を見ると、住宅性能がどういった健康リスクに影響するのか、確認することができます。

寒い家では血圧が上昇!

第一回中間報告では4つ、第二回中間報告では6つの「得られつつある知見」が挙げられています。

【第一回中間報告】

得られつつある知見1:冬季において起床時室温が低いほど、血圧が高くなる傾向が見られた。

得られつつある知見2:高齢者ほど、室温と血圧との関連が強いことが認められた。

得られつつある知見3:断熱改修によって室温が上昇し、それに伴い居住者の血圧も低下する傾向が確認された。

得られつつある知見4:居間または脱衣所の室温が18℃未満の住宅では、入浴事故リスクが高いとされる熱め入浴の確率が有意に高い。

【第二回中間報告】

得られつつある知見1:起床時の室温の低下による血圧上昇への影響は、高齢になるほど大きい。

得られつつある知見2:室温の低い家に住む人ほど、起床時の血圧が高血圧となる確率が高い。

得られつつある知見3:室温の低い家に住む人ほど、動脈硬化指数と心電図異常所見が有意に多い。

得られつつある知見4:断熱改修後に起床時の血圧が有意に低下。

得られつつある知見5:就寝前の室温が低いほど、夜間頻尿リスクが有意に高い。

得られつつある知見6:断熱改修後に夜間頻尿回数が有意に減少。

この中ではやはり、血圧への影響が一番気になるところでしょうか。

第一回中間報告の資料によると、「室温が10℃低い朝は、起床時収縮期血圧が7.3mmHg高」かったそうです。そして、家の断熱改修後、室温が平均3.3℃上昇し、居住者の血圧は平均1.4mmHg低下した、とのことです。また、第二回中間報告では、平均2.5℃暖かくなった場合、2.8mmHg低下した、とのことです。

この辺りの具体的な数値は、室温変化以外の様々な条件により人それぞれ違いが出るところだとは思います。とはいえ、住宅の断熱性能を上げて室温が上昇することにより、居住者の血圧が低下することは確かなものと言えそうですね。

資料中にも記載がありますが、「21世紀における国民健康づくり運動」(2012年厚生労働大臣告示)によると、国民の収縮期血圧平均値の4mmHg低下目標を実現できると、循環器疾患死亡者数が1万5千人減少する、と推計されているそうです。同じ基準で考えるべきものではないかもしれませんが、暖かい家で生活することで、血圧上昇が原因となる健康リスクが改善されることは確かなことと言えます。

家が寒いことで「熱め入浴」をしてしまうリスク

第一回中間報告の知見4では、部屋が寒いことによって、健康リスクが高くなる「熱め入浴」をしてしまう、という間接的な要因も指摘されています。確かに、寒いときには体を温めるために、熱めのお湯にゆっくり入ってしまう、ということがありますよね。

ヒートショックと言われる、急激な温度変化による血圧の乱高下や脈拍の変動によって、心筋梗塞や脳梗塞などを起こす事例も多発しています。入浴中では、失神による溺死の可能性もあります。交通事故死数を上回る家庭の浴槽での死亡例を回避するためにも、部屋の間での温度差が少なくすることが必要です。

消費者庁からの「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故にご注意ください!」という注意喚起では、「湯温は41度以下、湯に漬かる時間は10分までを目安にしましょう」とされています。寒い家だったとしても、脱衣所や浴室を十分に温めてから入浴することを習慣づけたほうが良いようです。

その他も様々な健康リスクの回避にプラス

他にも、動脈硬化の原因となるコレステロール値から算出される動脈硬化指数が高かったり、心電図による所見で異常がある確率が高い状況がみられたようです。また、話題に上ることが増えてきた頻尿のリスクも、寒い家であるほど高くなるようです。

夜間頻尿は、それ自体よりも、睡眠不足や夜中に寝ぼけた状態でトイレへ移動する際の転倒など、間接的なリスクも大きくなります。暖かい布団の中から、冷えたトイレへの移動によるヒートショックのリスクも高まります。

室温の改善によって頻尿回数が減少する、というのは非常に面白い結果なのではないかと思います。

省エネだけでなく「家族の健康」の為にも性能を重視した家づくりを

この調査自体は、断熱のための住宅の改修、つまり「断熱リフォーム」を実施した居住者を対象としたものとなっています。これから新築で家を建てよう、と考えている方は、家族の健康を守るために、初めから性能の高い家にしておくことが必要なのではないでしょうか。

高性能の家は、冬の寒さだけでなく、夏の暑さにも負けません。ここでは触れませんが、興味がありましたら「高気密・高断熱で「冬暖かく、夏涼しい」となる理由」も一読ください。「冬暖かく、夏涼しい」となれば一年中ずっと過ごしやすい環境となりますので、健康面だけでなく精神的な面でもプラスとなるでしょう。

改めて当社の家づくりに対するこだわりをお伝えしたいと思い、国土交通省の調査資料を元に、家族の健康と住宅性能の関係性についてご紹介しました。家族の幸せには、まず家族の健康が重要だと当社では考えています。ぜひ家づくりの際には「性能」に目を向けて、生活を始めてから後悔しないよう、十分に検討するようにしてください。